多くの家庭で誤解されているのが、「火を通したゆで卵のほうが、生卵よりも日持ちするのではないか」という思い込みです。実際には全く逆であり、ゆで卵の賞味期限は生卵よりも大幅に短くなります。
生卵の白身には「リゾチーム」と呼ばれる強力な抗菌酵素が含まれており、外部から侵入した雑菌の繁殖を自力で抑える防御システムを備えています。そのため、生卵は冷蔵保存で2週間から3週間近く日持ちします。しかし、卵を加熱してゆで卵にすると、このリゾチームが熱変性によって破壊され、抗菌バリアが完全に失われてしまいます。つまり、ゆで卵は非常に雑菌が繁殖しやすい高リスク食品へと変化するのです。
ヒビが入ったゆで卵は、その隙間から雑菌が侵入するため、いかなる状態であっても翌日中には消費してください。お弁当に入れる場合は、食中毒リスクを極限まで下げるため、半熟ではなく10分以上茹でた「固ゆで」を選び、完全に冷ましてから詰めるのが鉄則です。