ネット上の言説や若い世代の間では、「相撲人気に乗じた一発屋的な企画ソングだったのではないか」という誤解が散見されます。しかし、当時の音楽関係者や評論家の証言を紐解くと、事実はまったく逆です。
作曲を手がけた巨匠・三木たかしは、琴風の倍音を豊かに含んだ中低音と、力みのない繊細なビブラートを絶賛していました。巨漢力士特有の豊かな胸郭から生み出される響きは、一般的なプロ歌手でも容易に出せない温かみと包容力を宿していたのです。
また、テレビの生放送番組に出演した際も、琴風は一切のピッチのブレを見せず、堂々たる歌唱を披露しました。当時の音楽番組スタッフの間でも「リハーサルから完璧で、耳の肥えた歌謡ファンを唸らせる本物の歌手」として語り草になっていました。単なる話題先行型の商品ではなく、楽曲そのものの完成度と歌唱の説得力こそがロングセラーを支えた決定打でした。