選挙のたびにSNS等で議論されるのが、「支持したい候補者がいない場合、白票を投じることで政治への抗議意思を表明できる」という言説です。しかし、選挙制度の運用実態から見れば、白票は法的に「無効票」として単なる数字のゴミ箱に分類されるだけであり、どの政党や候補者にも政治的プレッシャーを与える力は持ち得ません。
日本の公職選挙法において、当選者を決める得票率は「有効投票総数」を分母として計算されます。白票などの無効票は分母から完全に除外されるため、結果として組織票を持つ既存政党や有力候補者の得票シェアを相対的に押し上げ、有利に働かせる皮肉な結果しか招きません。意思表示としての白票は、制度上は完全な自己満足に終わってしまいます。
ネット上で定期的に拡散される「投票用紙に鉛筆で書かせているのは、開票所で係員が消しゴムで消して票を改ざんするためだ」という陰謀論も完全なデマです。開票審査は各党派から選ばれた複数の立会人が取り囲む公開の場で相互監視のもと行われており、特定個人の手によって鉛筆の文字を消して書き直す物理的・時間的な隙は一切存在しません。ユポ紙に鉛筆で強く書かれた筆跡はカーボンが樹脂表面に定着するため、消しゴムで擦っても完全には消えず痕跡が残ります。根拠のない噂に惑わされず、ルールに従って記載することが肝要です。