体制の宣伝機関である朝鮮労働党宣伝煽動部は、指導者の「人間らしさ」や「肉体的な衰え」を徹底的に排除した。国民に配給されるバッジ、街頭の巨大肖像画、教科書の挿絵にいたるまで、首元のこぶは完璧に修整された。
検閲・プロパガンダの網の目は、国外からの訪問者に対しても容赦なく張り巡らされた。東欧共産圏の視察団や海外ジャーナリストが同席する式典では、私設親衛隊が異様な目つきでカメラのレンズの向きを監視した。不自然なほど右側を隠す立ち振る舞いは、逆に海外の取材陣に対して政治ミステリーのような強い違和感を抱かせる結果となった。