彼の名を日本中に知らしめた代表作として、国民的映画『男はつらいよ』シリーズの初代・川又登役を思い浮かべる人は多いはずだ。渥美清演じる寅さんを「アニキ!」と慕い、愚直に付き従う舎弟の姿は、初期シリーズに欠かせない温かいアクセントだった。
さらに、1970年代の青春群像劇の金字塔『俺たちの旅』における「グズ六」こと浜田大造役は、いまなお語り草となっている。要領が悪く、悩み多き青年を演じきった彼の姿に、当時の若者たちは自分自身を重ね合わせ、熱烈な共感を寄せた。
完璧ではないからこそ愛おしい。そんな不器用な人間を演じさせたら、彼の右に出る者はいなかった。日本のテレビドラマが最も熱く、人間臭かった時代を、彼は間違いなく中心で支えていた。