ウェブ上では「コーヒーかすを撒くだけで害虫が寄り付かず、植物の肥料になる」といった情報が散見されますが、これには重大な誤解が含まれています。農学的な知見に基づくと、未発酵のコーヒーかすにはカフェインやポリフェノール、タンニンなどの植物生育を抑制する成分が含まれています。これをそのまま観葉植物や家庭菜園の土に撒くと、根腐れや発芽不良を引き起こすリスクが高まります。
園芸用途で活用するには、コーヒーかす肥料発酵のステップが欠かせません。米ぬかや腐葉土、油かすと適量の水を混ぜ、微生物の働きによって好気性発酵(約50〜60度まで温度が上がる状態)を数週間から数か月継続させることで、初めて安全で肥沃な堆肥となります。また、コーヒーかす虫除け効果についても、乾燥粉末を撒くことでナメクジや猫の侵入を一時的に忌避させる効果はあるものの、雨に濡れれば効果は半減するため、恒久的な防虫剤としての過信は禁物です。