ジャニーズ文化を語る上で欠かせないもう一つの心臓部が、デビュー前の育成機関である「ジャニーズJr.(現・ジュニア)」の存在です。まだ何者でもない少年たちが厳しいレッスンに耐え、バックダンサーから徐々に前列へと這い上がっていくプロセスは、ファンの強烈な庇護欲と応援カルチャーを育みました。
歴代ジャニーズJr.人気グループの頂点として語り継がれるのが、1990年代後半の「Jr.黄金期」です。滝沢秀明さんや今井翼さんを筆頭に、嵐のメンバー、関ジャニ∞のメンバー、山下智久さん、生田斗真さん、風間俊介さん、長谷川純さん(Four Tops)らが集結したテレビ番組『8時だJ』は、ゴールデンタイムで高視聴率を連発。Jr.単独で東京ドーム公演を成功させるなど、デビュー組を凌駕する熱狂を生み出しました。
その後も、KAT-TUNやKis-My-Ft2のように、Jr.時代から単独アリーナツアーを行い、オリジナル曲を多数保持するグループが登場。近年では、SixTONESとSnow ManがJr.歴10年を超える苦節の末に同時デビューを果たし爆発的ブレイクを記録したドラマや、Travis Japanがアメリカ留学を経て世界デビューを掴み取ったプロセスが、ファンの心を強く揺さぶりました。
SNSやネット掲示板、ファンコミュニティのリアルな声を検証すると、ジュニアファン特有の心理が浮かび上がります。
「デビュー組のファンは完成されたショーを観に行く感覚だけど、ジュニアの応援は『自分の1票や動員がこの子の人生を変えるかもしれない』という共同生活のような緊張感がある」(30代・長年Jr.を追うファン)
「いつ突然グループが解体されるか分からない。だからこそ、今目の前にある1公演、1本のYouTube動画に対する熱量が凄まじい」(20代・女性ファン)
現場におけるこの熱量は、雑誌『Myojo』の恒例企画「恋人にしたいJR.ランキング(ジュニア大賞)」の熾烈なハガキ投票合戦などにも色濃く表れていました。過酷な競争環境が生み出すドラマ性こそが、旧体制から新体制へと受け継がれた最強のエンタメエンジンであったことは紛れもない事実です。