一般的な輸入バナナは、皮が鮮やかな黄色に染まり、緑色の部分が消えた段階で十分に甘みを感じられます。しかし、沖縄県産島バナナや小笠原諸島産島バナナをはじめとする在来種(主に小笠原種・ミズバナナ系統)は、黄色くなった段階ではまだデンプン質が糖化しきっておらず、強い酸味や特有のエグみが残っています。
島バナナが真の美味しさに達するのは、皮全体に黒い斑点(シュガースポット)が現れ、皮自体が薄く柔らかくなって黒ずんできた段階です。「傷んでいるのではないか」と誤解されがちな島バナナの皮が黒い理由は、果肉内部で急速に糖化が進み、ポリフェノール化合物が酸化して現れる成熟の証拠です。この完熟期に達した瞬間、酸味と濃厚な甘みの特徴が絶妙なバランスで調和し、まるでリンゴやパッションフルーツのような華やかな香りと、ねっとりとした極上の舌触りが生まれます。