週刊誌各社や大手スポーツ紙が甲状腺手術の裏付け取材を進める中、ファンが最も驚き、そして疑問に感じたのは「なぜ本田圭佑本人は病名を公表しなかったのか」という点でした。通常の選手であれば、著しいパフォーマンスの低下や試合での動きの鈍さに対して「病気療養中であった」と明かすことで、メディアやサポーターからの批判を和らげる選択肢もあったはずです。
当時、ACミランの番記者や日本代表の現場取材を行っていた関係者の証言によると、本田のスタンスは一貫していました。ピッチに立つ以上、プロはお金を払って観戦に来る観客に対して「100%のプロフェッショナル」でなければならず、病気や怪我を言い訳にすることは自らのプライドが許さないという強固な哲学です。
自著や当時の特番インタビューにおいて、彼は身体のコンディションについて直接言及することを巧みに避けつつも、「困難な状況であればあるほど、それを乗り越えたときの価値が高まる」「言い訳を探し始めた時点で進化は止まる」といった趣旨の言葉を幾度となく残しています。SNSや知恵袋、サポーターコミュニティでも、当初は「ミランの10番として不甲斐ない」と手厳しく叩かれていたものの、激しい甲状腺疾患の疑いと戦いながらフル出場を続けていた実態が認知されるにつれ、「批判を一身に浴びながら言い訳一つしなかった精神力は常人離れしている」と畏敬の念を持って再評価されるようになりました。