1978年にリリースされた岩崎宏美の代表曲『シンデレラ・ハネムーン』は、本来、阿久悠作詞・筒美京平作曲という歌謡界の二大巨頭の手による屈指の名曲である。抜群の歌唱力と透明感あふれる高音で一世を風靡したこの曲の運命を大きく変えたのが、1980年代に台頭したコロッケの登場だった。
彼が披露したモノマネは、テンポを早め、首を大きく振って顎をシャープに突き出すという強烈な視覚的デフォルメ。これが日本中に大爆笑を巻き起こした。その波及力は凄まじく、岩崎本人がコンサートで真面目に同曲を歌おうとすると、前奏が流れただけで客席からクスクスという笑いが漏れ出すという事態が発生したのだ。歌姫としてのプライドと葛藤の末、彼女はついに自身のセットリストからこの大ヒット曲を一時外すという決断を下すこととなった。