武田久美子さんが芸能界の表舞台に躍り出たのは、1981年のことでした。中学校1年生(13歳)のときに「東宝プリンセスコンテスト」で特別賞を受賞したことがきっかけとなり、その類いまれな美貌と大人びた眼差しは、瞬く間に業界関係者の注目を集めることになります。
翌1982年には、近藤真彦さん主演の大ヒット映画『ハイティーン・ブギ』(舛田利雄監督)のヒロイン・宮下桃子役に、数千人の応募者のなかから大抜擢されました。当時14歳とは思えないほどの完成された顔立ちと透明感は、スクリーンを通じて全国の観客を魅了します。しかし、トップアイドル相手の恋人役という大役は、同時にすさまじい試練を伴うものでした。
当時の報道や本人の回想録によると、熱狂的なファンからの激しいバッシングに晒され、自宅や所属事務所にカミソリ入りの手紙が届くといった過激な嫌がらせも日常茶飯事だったと明かされています。まだ中学生だった彼女は、恐怖に怯えるだけでなく、「プロとして画面の中で完璧に役を演じ切る」という強い精神力を培っていきました。
同年にシングル『噂になってもいい』でアイドル歌手としてもデビュー。数多くの歌番組やグラビア誌の表紙を飾り、清純派アイドルとしてのキャリアを華々しくスタートさせました。