クラス旗に対するネットの反応を分析すると、SNSや知恵袋、学生コミュニティには毎年熱狂と同時に生々しい苦悩が吐露されています。最も散見されるのが「制作委員の孤立問題」です。X(旧Twitter)では「絵を描けるのが自分しかいなくて、放課後ずっと居残り作業で本番前に燃え尽きた」「みんな部活に行ってしまい、旗のクオリティに文句だけ言われるのが一番辛い」といった悲痛な叫びが毎年数多く投稿されています。
都内の公立高校で体育祭実行委員長を務めた生徒は、当時の状況を次のように振り返ります。
「最初はみんなで大作の龍を描こうと盛り上がったのですが、下書きの段階で形が狂ってしまい、途中で誰も修正できなくなりました。布の上に直に鉛筆で描いたため消しゴムも使えず、焦りから教室の空気が最悪になったことを覚えています。最終的に美術の先生からプロジェクターを借りてスマホの画像を黒板越しに布へ投影し、輪郭をなぞる方法に切り替えて何とか間に合わせました。あの時短テクニックを知らなかったら完全に破綻していました」
学級旗のデザインにおいて中学と高校で顕著に分かれる嗜好も見逃せません。中学校では「クラス全員の似顔絵」や「カラフルな手形を花びらに見立てた集合美」など、協調性を重視した作品が生徒・教員双方から高く評価される傾向にあります。これに対し、高校生になると洗練されたストリートカルチャーの要素や、プロのグラフィックデザイナー顔負けのタイポグラフィ、アニメーションのオープニングを意識したシネマティックな構成など、美意識と個性の尖った作品に羨望の眼差しが集まります。