パティ&ジミーが誕生したのは1974年。当時の日本は、雑誌『an・an』や『non-no』の創刊、アメリカ西海岸カルチャーの流入など、海外のライフスタイルやファッションへの憧れが急速に高まっていた時代でした。サンリオは当時、単なるファンシー文具の枠を超え、海外の空気感を日本の少女たちへ届ける新しいキャラクター開発を模索していました。
そこで生み出されたのが、アメリカの郊外住宅地を舞台にした素朴でスタイリッシュな2人の日常です。初期のデザイナーたちは、従来の「ただ愛らしい動物」という枠組みを打ち破り、洗練された線画と鮮やかなトリコロールカラー(赤・青・白・黄)を採用。このグラフィックデザインとしての完成度の高さが、当時の女子小中学生のみならず、感度の高いティーン層にまで爆発的なブームを巻き起こす原動力となりました。
当時の社内制作エピソードによると、キャラクターグッズにストーリー性を持たせるため、毎月発行される『いちご新聞』を通じて2人の学校生活や友達関係が細かく発信され、読者はまるで海外ドラマの主人公を追うような感覚で彼らに夢中になったと記録されています。