胃カメラ前の食事は何時まで?前日・当日のNg食材と中止の真相

胃カメラ前の食事は何時まで?前日・当日のNg食材と中止の真相

胃カメラ前の食事は何時まで?前日・当日のNg食材と中止の真相について知っておくべき ポイントを分かりやすく解説いたします。

受診者の中には、「少し胃の中に食べ物が残っていても、カメラで見れば何とかなるだろう」と制限を軽視する人が存在します。しかし、胃カメラ食事制限を守らないと中止になる理由は、単なる再検査の手間にとどまらず、受診者の生命維持に直結する重大インシデントのリスクが存在するためです。

日本消化器内視鏡学会をはじめとする医療ガイドラインが食事制限の遵守を厳格に求める根拠は、主に以下の2点に集約されます。

第一に、病変見逃し率の劇的な上昇です。胃粘膜の表面に残渣が付着している場合、微小な早期胃がんや前がん病変の発見率は約15〜20%低下すると臨床現場で試算されています。何千円、何万円もの費用と時間をかけて苦しい思いをしながら検査を受けても、残渣のせいで悪性腫瘍が見逃されてしまえば、受診そのものの意義が根本から崩壊します。

第二の、そして最も危険な理由が、近年利用者が急増している鎮静剤使用時の胃カメラ前食事制限にあります。内視鏡を苦痛なく受けるためにプロポフォールやミダゾラムといった静脈麻酔(鎮静剤)を使用する場合、患者の中枢神経は抑制され、意識が混濁・消失します。

この状態下では、異物が喉に入った際に気道を塞ぐ「咳反射」や「嚥下反射」が完全に消失します。胃内に未消化物や液体が停滞していると、検査中に胃内容物が食道を逆流し、気管へと一気に流入します。結果として、急性気道閉塞による窒息死や、胃酸と細菌が肺胞を破壊する「誤嚥性肺炎(メンデルソン症候群)」を併発します。誤嚥性肺炎は集中治療室(ICU)での人工呼吸器管理を要し、最悪の場合は死に至る極めて危険な合併症です。「胃が空っぽになっていない患者に麻酔は打てない」というのは、麻酔科医および内視鏡医にとって絶対的な医療倫理です。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。