本作を語る上で欠かせないのが、世界的な名優・渡辺謙や、圧巻の表現力で異彩を放つ森山未來をはじめとする豪華キャスト陣の存在だ。千葉編で愛娘の幸せを願う父親の苦悩を熱演した渡辺謙、そして沖縄の無人島に流れてきた謎の男を不気味かつ圧倒的なリアリティで演じ切った森山未來。
こうした実力派たちが繰り広げる圧巻のアンサンブルの中で、広瀬すずの演技は決して埋もれることがなかった。それどころか、実力者たちの怪演と共鳴し合うことで、物語に一層の深みをもたらしたのだ。人間関係の歪みや愛と疑念の衝突を描いた重厚なヒューマンドラマとしての側面は、彼ら俳優陣の魂のぶつかり合いによって最高純度にまで高められた。