高級肉の代名詞として君臨する「シャトーブリアン」。フィレ肉との関係性について曖昧な認識を持つ方も多いですが、結論から言えばシャトーブリアンはフィレ肉の最上中心部を切り出した最高峰の小部位です。
棒状に伸びるフィレ肉(テンダーロイン)は、太さや肉質によって頭部側から尾部側へと厳密に4つのパーツに細分化されます。
先端の細い部分は「フィレミニヨン(Filet Mignon)」と呼ばれ、きめ細かく繊細なステーキ用として供されます。最も太い頭部は「テート(Tête)」と呼ばれ、ローストビーフなどに用いられます。そして、そのちょうど中央に位置する、最も厚みがあり運動の影響を一切受けていない奇跡のコア部分がシャトーブリアンです。
牛一頭から取れるシャトーブリアンの量は、わずか600g〜800g程度。フィレ肉全体の約1割強しか存在しません。19世紀フランスの外交官・文学者であるフランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン子爵が、専属料理人にこの中心部分ばかりを特別に調理させて偏愛したという史実が名前の由来です。現在でも高級料亭やグランメゾンにおいて、100gあたり数万円で提供される特別なステーキの地位を守り続けています。