古川の街を語る上で、長年培われてきた独自のラーメン文化と駅前飲食街の活況を避けて通ることはできない。大崎耕土の豊かな実りを背景に、この地域には古くから個性的な麺処が点在している。
その代表格であり、地元民のソウルフードとして君臨するのが「富士屋」だ。透き通った黄金色の醤油スープに、細めのストレート麺、そして噛み締めるほどに旨味が溢れる親鶏のチャーシュー。シンプルを極めた一杯は、創業以来変わらぬ製法で世代を超えて愛され続けている。昼時には広い駐車場が県内各地のナンバーで埋まり、平日でも行列が途切れることはない。
古川のラーメンシーンは伝統店にとどまらず、近年では濃厚な煮干し出汁を利かせた進化系中華そば店や、若手店主による自家製麺の先鋭的な専門店が相次いで出店している。また、古川駅東口・西口の路地裏には、宮城の誇る銘酒「一ノ蔵」「浦霞」などを傾けられる小料理屋や炭火焼きの居酒屋が軒を連ね、夜になると出張のビジネス客や地元の常連客で活気を見せる。新幹線駅としての流動性と、城下町・宿場町の名残を感じさせる人情味が同居している点こそ、古川グルメの醍醐味と言える。