実際に完全菜食の食生活をスタートさせた人が最初に直面するのが、「原材料表示の複雑さ」です。ここでは、日々の生活で口にしてよい食品と、見落としやすい動物性原材料を分かりやすく整理します。
まず、基本となるヴィーガンが食べていいもの一覧は以下の通りです。
- 主食・穀物類:白米、玄米、大麦、オートミール、そば(十割または鶏卵不使用のもの)、パスタ(デュラム小麦と水のみで製麺された乾麺)
- 大豆製品・豆類:豆腐、納豆、豆乳、湯葉、おから、ひよこ豆、レンズ豆、テンペ、大豆ミート
- 野菜・根菜・キノコ・海藻類:すべての生鮮野菜、海苔、昆布、わかめ、シイタケ、エリンギなど
- 果物・種実類:リンゴ、バナナ、ベリー類、アーモンド、くるみ、チアシード、ヘンプシード
- 調味料・植物性油脂:味噌、本醸造醤油(動物性だし不使用)、オリーブオイル、ごま油、植物性ステビア、メープルシロップ、アガベシロップ
一方で、注意が必要なのが「一見すると植物性に見えるが、実は動物由来成分を含んでいる食品」です。食品メーカーの原材料表示を細かくチェックしなければ、思わぬところで動物性物質を摂取してしまう落とし穴が存在します。
代表的な例が「白砂糖」です。サトウキビから砂糖を精製する際、不純物を取り除いて白く仕上げる脱色工程で、牛の骨を焼いて作られた「骨炭(こつたん)」がろ過フィルターとして使用されているケースがあります。そのため、厳格なヴィーガンは甜菜(てんさい)糖やメープルシロップ、未精製のきび砂糖を選択します。また、和食の基本である「出汁(だし)」にも注意が必要です。昆布だしや椎茸だしは問題ありませんが、外食や市販の麺つゆには高確率で鰹節や煮干し、鶏ガラエキスがブレンドされています。
さらに、デザートやゼリーに使われるゼラチン(豚や牛の皮や骨から抽出されたコラーゲン)はNGであり、寒天やアガー(海藻由来)で代用しなければなりません。ミツバチの労働と生存基盤に依存する蜂蜜も回避の対象です。市販のパンに含まれるショートニング(動物性油脂由来の可能性がある)や乳化剤、ビタミンD3(羊毛から抽出されるラノリン由来が多い)など、パッケージ裏の微量添加物まで見極める専門的な知識が求められます。