現地台湾において、この料理を巡る議論は宗教論争に近い。発祥の地とされる台湾中部の彰化(ジャンホワ)では、低温の油でじっくりと火を通す「油炸」が王道だ。サツマイモ澱粉やタピオカ粉を練り上げた皮は、外側がわずかに香ばしく、内側はどこまでもねっとりと濃厚。一方で南部の台南へ下ると、木製せいろでふっくらと蒸し上げる「蒸肉圓」が主流派を占める。油分が抜け、つるりと喉を通る優美な軽快さ。2026年の日本市場には、この両陣営の本格派が同時になだれ込んできた。
「油で揚げるタイプを出す店と、蒸籠で仕上げる店。それぞれに熱狂的な信者がついています」。都内の台湾料理研究家は語る。衣に閉じ込められた豚肉の塊、細切り筍のシャキシャキとした歯ごたえ、そこに絡む椎茸の旨味。調理法の違いによって、澱粉の分子が口の中でほどけるスピードが劇的に変わる。この「食べ比べの悦び」が、日本のマニア層の探求欲に火をつけたのだ。