「性欲が湧かない」「パートナーとの温度差に悩んでいる」といった声は後を絶たない。しかし、現代の性科学が解き明かした事実は、そうした悩みが個人の魅力や愛情の欠如ではなく、脳の神経システムに起因することを示している。ベストセラー著書で知られる性教育研究者のエミリー・ナゴスキー博士は、人間の性応答には「アクセル(興奮刺激)」と「ブレーキ(ストレスや不安による抑制)」の二つのシステムが存在すると提言した。
日常生活の緊張や疲労が蓄積されると、脳は無意識にブレーキを強く踏み込んでしまう。無理に気分を高めようとするのではなく、まず心理的な不快感や日常のストレスというブレーキを解除することこそが、円滑な関係を再生する鍵となるのだ。