ミスター・ポテトヘッドの魅力といえば、あのぶっきらぼうで口が悪いのにどこか温かい独特の台詞回しです。このキャラクターを支えてきた歴代声優陣の歩みには、日米ともに深い敬意と絆のエピソードが存在します。
原語(英語版)で声を担当していたのは、アメリカを代表する伝説的コメディアンのドン・リックルズ(Don Rickles)氏でした。彼の歯に衣着せぬトークスタイルがキャラクターの核となっていましたが、2017年に惜しまれつつ逝去。2019年公開の映画『トイ・ストーリー4』の制作時にはすでに亡くなっていましたが、制作陣は過去作やゲーム用に収録されていた膨大なアーカイブ音声を再編集し、ドン氏の魂を宿した声での出演を実現させました。
一方、日本語吹き替え版の歴史も名優たちのリレーによって支えられています。
初代を務めたのは、重厚な名脇役として知られた名古屋章さん。その後、舞台や映像で幅広く活躍した辻萬長さんがバトンを引き継ぎ、親しみやすい毒舌キャラを確立しました。辻さんの逝去後は、数々のディズニー作品で定評のある多田野曜平さんらが役を引き継ぎ、キャラクターの持つコミカルな味を崩すことなく見事に表現し続けています。