なぜ彼はこれほどまでに観る者の心を揺さぶるのか。取材を進めると、関係者が口を揃えて語る「演技力の秘密」が見えてきた。ある映画監督は「北村さんはカメラが回る直前までリラックスしているように見えて、本番の瞬間に役の霊魂が乗り移ったかのような集中力を見せる」と明かす。
また、現場の照明スタッフによれば、「影の作り方や体の角度ひとつで、脚本以上の感情を表現してしまう」という。アドリブのように見える自然な立ち振る舞いも、実は計算し尽くされた空間把握能力によるものだ。カメラのフレーム外まで意識を張り巡らせるプロ意識こそが、作品の質を一気に跳ね上げるスクープ級の秘密なのだ。