「2ちゃんねる」をはじめとする初期のインターネット掲示板は、匿名性が高く、誰が書き込んだかわからない情報が無数に転がる「カオスな実験場」だった。当時のユーザーは、最初から「嘘が混ざっていること」を前提に情報を眺め、自主的なファクトチェックを行わざるを得ない環境に置かれていた。
しかし、株式会社ドワンゴが展開するプラットフォームや、YouTube、X(旧Twitter)といった現代のソーシャルメディア(SNS)の隆盛に伴い、IT・Webメディア業界の風景は一変した。アルゴリズムが個人の好みに合わせた情報を「おすすめ」として自動供給する仕組みが整ったことで、ユーザーは自ら検証することなく、心地よい情報だけを消費しがちになっている。受動的なメディア環境へのシフトが、皮肉にも現代人の情報リテラシーを麻痺させる要因となってしまったのだ。