2026年のJAXAの取り組みの中で、世界中の科学者が最も固唾をのんで見守っているのが、火星衛星探査計画「MMX(Martian Moons eXploration)」だ。火星の第一衛星「フォボス」に着陸し、その表面から砂やガスなどのサンプルを採取して地球へと持ち帰るという、前人未到のサンプルリターンミッションである。
かつて小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」で世界を驚嘆させたJAXAの着陸技術と航法誘導精度が、今回のMMXでさらに進化した。火星圏という遠大な宇宙空間での複雑な重力環境を克服し、未知の天体へ着陸する技術は、米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)も深く注目するプロジェクトとなっている。成功すれば、太陽系の形成史や火星の水の起源に関する謎を一挙に解き明かす歴史的快挙となるだろう。