旅行者や家族連れが被害に遭わないために、野外で役立つウモレオウギガニの見分け方を整理しておきましょう。特徴的な識別ポイントは以下の3点に集約されます。
第一に、「甲羅表面の独特な隆起とモザイク模様」です。甲羅の幅は4〜8cm程度で、全体が小さな小石を敷き詰めたようなデコボコした肉質の瘤で覆われています。色彩は赤褐色、暗紫褐色、淡黄色などが入り混じった迷彩のような模様をしており、サンゴ礁の岩陰に潜むと背景に完全に同化します。
第二に、「ハサミ脚の先端部が黒色で、内側がスプーン状に凹んでいること」です。オウギガニ科の多くに共通する特徴ですが、ハサミの先がまるで小さなスプーンのように丸く窪んでおり、岩についた藻類を削り取って食べるのに適した形状をしています。この「先が黒いスプーン状のハサミ」を見たら、毒ガニの可能性を疑うべきサインです。
第三に、「後ろ脚(歩脚)の形状」です。ワタリガニのように泳ぐための平たいパドル(遊泳脚)はなく、すべて先が尖った歩行用の脚になっています。ウモレオウギガニの生息地は主にインド洋から太平洋の熱帯・亜熱帯水域であり、国内では沖縄県、奄美群島、小笠原諸島が主たるエリアですが、黒潮流域である紀伊半島や伊豆諸島周辺でも稀に確認例があります。特に沖縄の毒ガニとして磯遊び時の注意点を熟知しておくことが肝要です。