ジャンル別のトレンドに目を向けると、明確な地殻変動が起きている。長年シーンを席巻してきた異世界転生ジャンルは、従来の安易な無双劇から、極限の心理戦や緻密な経済・政治ドラマを取り入れたハイブリッド型へと進化を遂げた。読者の肥えた目に耐えうる、ハードな設定構築がスタンダードになりつつある。
それと呼応するように勢力を拡大しているのが、過酷な運命に抗う主人公たちを描いたダークファンタジーだ。人間のエゴや理不尽な世界の構造を容赦なく暴き出す重厚なストーリーテリングが、10代から大人の視聴者層まで幅広く突き刺さっている。
『ONE PIECE』の尾田栄一郎が築き上げたような王道少年マンガの熱い文脈を継承しつつも、よりビターで予測不能な展開を求める現代の視聴者ニーズ。その両者が交差する地点で、新たな名作が次々と産声を上げている。