ドイツ最後の皇帝ヴィルヘルム二世の失脚劇と第一次世界大戦の真相

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1888年、29歳の若さでホーエンツォレルン家の王冠を戴いたヴィルヘルム2世が最初に行った重大な決断は、「鉄血宰相」オットー・フォン・ビスマルクの解任だった。ビスマルクが緻密に構築した、フランスを孤立させロシアとの協調を保つ同盟網は、若き皇帝の目に「消極的で時代遅れな足枷」と映ったのである。「余が自ら舵を取る」――そう豪語した皇帝は、大海軍の建設と積極的な海外進出を目指す「世界政策」を高らかに掲げた。

だが、この性急な方針転換こそがドイツ帝国を破滅的な孤立へと追い込む致命傷となった。親露外交を放棄した結果、ロシアはフランスと軍事同盟を結び、英独の熾烈な建艦競争は大英帝国を警戒させた。指導者の気まぐれな発言と威嚇外交の連続が、欧州に張り巡らされていた安全保障の防壁を一枚ずつ剥ぎ取っていったのだ。

山田 真由
著者

山田 真由

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