彼の演技の骨格を形作ったのは、早稲田大学時代に松村武らと立ち上げた劇団「カムカムミニキーナ」での日々だ。資金も機材もない小劇場の舞台で、いかに客席の集中力を途切れさせないか。汗を飛び散らせ、全身の毛穴から熱気を放つような泥臭い舞台経験が、現在の揺るぎない土台となっている。
映像の世界で大ブレイクを果たした後も、彼は舞台を捨てなかった。むしろ定期的に劇団の公演に戻ることで、自らの演技の「感度」を再調律しているかのようだ。どれほどメジャーになってもアングラ精神を忘れないアンバランスさこそが、彼の底知れぬ魅力の源泉といえる。