もともとトニー賞4部門に輝き、世界中でロングランヒットを記録していた伝説のブロードウェイ・ミュージカル。これを大型スクリーンへと移植するプロジェクトは、映画スタジオのワーナー・ブラザースにとっても大きな賭けだった。
単なる舞台のトレースに終わらせず、シネマティックな奥行きを与えるために、舞台版のオリジナルキャストを中心に起用する決断が下された。ミュージカル映画特有の過度な華やかさを抑え、1960年代のアメリカ社会が抱えていた暗部や男たちの泥臭い友情を丁寧に炙り出した手法は見事の一言に尽きる。『ジャージー・ボーイズ』は、舞台の熱量と映画の芸術性を完璧に融合させた金字塔となった。