アルコール除菌シートの真実|効かないウイルスの罠と正しい選び方

アルコール除菌シートの真実|効かないウイルスの罠と正しい選び方

アルコール除菌シートの真実|効かないウイルスの罠と正しい選び方の特集記事を解説します。最新トレンドが詰まっています。

手軽に衛生管理ができる万能ツールと思われがちなアルコール除菌シートですが、微生物学的な観点から見ると万能ではありません。最も典型的な失敗例が、冬場を中心に猛威を振るうノロウイルスやロタウイルスに対するアルコール除菌シートの使用です。

ウイルスの構造は、脂質でできた膜を持つ「エンベロープウイルス」と、膜を持たない「ノンエンベロープウイルス」の2種類に大別されます。新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスはエンベロープ型であり、アルコールによって膜を破壊されると感染力を失います。しかし、ノロウイルスに代表されるノンエンベロープウイルスはタンパク質の強固な殻(カプシド)に覆われているため、標準的なアルコール拭き取りだけでは不活化が困難です。

さらに、除菌シートで対象物を拭く際の「物理的な接触時間」と「液量」も効果を分ける鍵となります。アルコールが作用するためには一定時間(数秒から数十秒)湿潤状態を保つ必要がありますが、シートが乾きかけていたり、サッと撫でるように拭き取るだけでは、十分な除菌効果を得る前に揮発してしまいます。汚れや油分が残ったままの状態で拭いても、有機物がアルコールの作用を阻害してしまう点にも注意が必要です。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。