80代を迎えてなお「今が一番料理が楽しい」と語る坂井氏。現在、彼が情熱を注いでいるのが、食文化の保存と次世代への継承を目的とした2026年に向けた新プロジェクトだ。全国の地方自治体や若手生産者とタッグを組み、埋もれかけた伝統食材を現代フレンチの技法で再定義する取り組みを進めている。
さらに、デジタルアーカイブを活用した調理技術の映像記録や、食育をテーマにしたワークショップの立ち上げなど、活動の場はレストランの厨房の枠を大きく飛び越えている。生涯を通じて培った知見をオープンにし、次の世代へ手渡すこと。巨匠が見据える未来には、日本の食文化をさらに豊かにするための明確なロードマップが描かれている。