一連の流行は、教育の現場にも予期せぬ恩恵をもたらしている。教育・EdTech産業では、無機質な暗記になりがちな数学学習に暗号解読やグラフ描画の楽しさを組み込む教材開発が急ピッチで進む。公式を覚える苦痛が、メッセージを解読する歓びへと変換されている。
学術団体である日本数学会の関係者からも、こうしたトレンドに対する好意的な声が聞かれる。若者の「数学離れ」が懸念されるなか、ポップカルチャーを経由して数式の美しさや造形美に触れる機会が増えることは、数学文化の裾野を広げる意味で極めて価値が高いと捉えられている。