最も市民を困惑させているのは、診断の難しさだ。患者が発熱や激痛を訴えて受診しても、臨床現場で標準的に用いられる抗原定性検査において、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスは「陰性」と判定されるケースが相次いでいる。
従来のインフルエンザであれば抗ウイルス薬の投与によって早期の解熱が期待でき、新型コロナであれば特有の味覚障害や段階的な発熱プロセスが観察されることが多い。しかし、今回の症例では抗ウイルス薬が効かず、対症療法に頼らざるを得ない状況が続いている。
「熱の上がり方が急激で、解熱鎮痛剤を服用しても効果が数時間しか持続しない」と、福岡市内の内科医は明かす。検査で陰性が出たことで『ただの風邪』と自己判断し、無理をして出社や登校を続けた結果、家庭内や職場での二次感染を引き起こすリスクが高まっている。