冠婚葬祭の現場取材やSNS上のリアルな声を見ると、「良かれと思ってした訪問が、遺族の大きな負担になっていた」という体験談が少なくありません。遺族が本当に求めているのは、形式ばった儀礼よりも「精神的・体力的な気遣い」です。
事前のアポイントメントは必須条件
「近くまで来たから」と突然訪問することは絶対に避けなければなりません。遺族は法要の手続きや遺品整理、名義変更などで多忙を極めています。必ず事前に電話やメッセージで連絡を入れ、「お線香をあげさせていただきたいのですが、ご都合のよろしい日時はございますでしょうか」と意向を確認します。相手から「今は落ち着かないので」と遠回しに辞退された場合は、潔く引き下がり、後日お悔やみの手紙や供花を郵送するのが大人の対応です。
手土産の選び方と「のし」の作法
手土産を持参する場合、仏前にそのまま供えられる個包装の焼き菓子や、故人が好きだった果物などが喜ばれます。金額は2,000円から3,000円程度が相手に気を遣わせない適正ラインです。
のし紙(掛け紙)をかける場合は、表書きを「御供」とし、水引は四十九日前なら黒白の結び切り、四十九日以降(関西地域などでは黄白を用いる場合もあります)も結び切りを選びます。名入れは水引の下段に訪問者のフルネームを薄墨または通常の黒墨で記載します。