テレビでおなじみ大間のマグロ漁師・山本秀勝さんの年収は一体いくらなのか。この問いに対する端的な答えは、「良い年で推定800万〜1,200万円前後、釣れない年は200万円以下(諸経費を差し引くと大幅赤字)」という極端な乱高下にあります。大間漁協に所属する一本釣り漁師には固定給が一切存在せず、完全な個人事業主として海と対峙しているためです。
大間漁業協同組合の歴代トップ層や、大型の延縄船を操船するベテラン船長たちの年収ランキングを見れば、年間で数千万円から1億円近い水揚げを叩き出す凄腕漁師も実在します。しかし、山本秀勝さんのような小型船による「一本釣り」は、巻き網漁や延縄漁に比べて初期投資や人件費が抑えられる反面、マグロと針が直接触れ合う偶然性と卓越した操船技術に収益の全行程が依存しています。
番組初期から中期にかけて描かれたように、「3年間でまともなマグロが1本も揚がらない」という地獄の不漁期において、年収は実質ゼロどころか、出港すればするほど燃料代と餌代が積み重なり、数百万円規模の純損失を抱えることになりました。一方で、100kgを超える良質なクロマグロを複数本仕留め、キロ単価が跳ね上がる冬場に出荷できれば、わずか数回の出漁で数百万円の売上を叩き出す逆転劇が発生します。この「天国と地獄」の振れ幅こそが、山本秀勝さんの懐事情の真相です。