ネット上のオカルトまとめサイト等では、時折「えんらえんらは人を窒息死させる煙の怨霊」「吸い込むと祟られる危険な妖怪」といった記述が見られます。しかし、これは後世の創作や他作品の設定が混ざり合った明らかな誤解です。
原典である鳥山石燕の解説や江戸期の怪奇譚において、えんらえんらが人間を能動的に殺傷した記録は存在しません。人を驚かせることすら稀で、あくまで「煙のたなびきに風情を見る」ための存在でした。煙に巻かれて命を落とすといった火災事故の教訓怪談(煙松明など)と混同された結果、過激な尾ひれがついたものと考えられます。
【受容のタイプ別検証】古典文学好き・サブカルファン別の楽しみ方
えんらえんらという怪異の鑑賞にあたっては、読者の興味関心に応じた楽しみ方の切り分けが有効です。
- 深くおすすめできる人(民俗学・古典鑑賞派):江戸時代の絵師の言葉遊びや、日本特有の「無常観・幽玄美」を味わいたい人。石燕の描いた原画の筆致や、言葉の由来に知的興奮を覚える層に最適です。
- エンタメとして楽しむ人(アニメ・ゲーム派):『妖怪ウォッチ』や各種RPGにおけるデザインの変遷や、キャラクターとしての能力設定の妙を楽しみたい層。現代的なアレンジとの対比を堪能できます。
- おすすめできない人(刺激的なホラー・実害怪談を求める人):「実際に呪われる」「実害が出るお化け屋敷的恐怖」を期待する人には、あまりに無害で詩的すぎるため肩透かしに感じられる可能性があります。