年が明けても火種は消えなかった。放送倫理・番組向上機構(BPO)には、子どもに見せられない、大晦日の家族番組にふさわしくないといった視聴者意見が前代未聞の件数で寄せられた。テレビ放送業界全体がコンプライアンスと演出の自由の間で激しい議論に巻き込まれていく。
一方、楽曲をリリースしていたエイベックス・グループをはじめとする音楽産業サイドは、クラブカルチャー由来の過激なエンターテインメントをマス市場へ定着させようと試みていた。しかし、公共の電波が求める公共性と、消費者の衝動を煽る商業ポップスとの溝は深かった。この事件は、両者が水面下で抱えていた危うい摩擦を一気に表面化させた象徴的事例となった。