ハリウッドの目と鼻の先に誕生した最新鋭アリーナ、インテュイット・ドーム。その名物である急傾斜の観客席「ザ・ウォール」から地鳴りのような歓声が上がる時、その中心には決まって小柄な背番号10の姿がある。2m超の巨漢たちがひしめくNBAのコートにおいて、彼の存在感は異彩を放つどころの話ではない。
ボールを持った瞬間の第一歩。相手ガードの重心がわずかに揺れた隙を見逃さず、電光石火のドライブで一瞬にして置き去りにする。カバーに入った巨漢センターの頭上を通す、まるで手品のようなノールックパス。かつて「サイズがなければ生き残れない」とされた現代NBAの常識を、彼はその圧倒的なスピードと極限まで研ぎ澄まされたバスケットIQで鮮やかに打ち破ってみせた。