日常的に言葉を調べる際に活用されるWeblioやGoo辞書といったオンライン辞書サービスでも、「超える」と「越える」の使い分けに関する検索頻度は極めて高い。しかし実務の現場では、抽象的な表現において表記揺れが発生しやすいのも事実だ。
たとえば「壁をこえる」「一線をこえる」という表現だ。障害物としての壁を通過すると捉えれば「越える」だが、限界値としての壁を突き抜けると捉えるなら「超える」も成り立つ。この点について、ニュース報道の最前線であるNHKオンラインや大手新聞社は、記者ハンドブックなどの独自基準によって厳密な表記統一を図っている。報道メディアでは、具体物や境界には「越える」、抽象的な度合いや数値には「超える」を機械的ともいえる精度で使い分けることで、読者の混乱を防止している。