市販のトルコアイスが手に入らないことから、ネット上では「普通のバニラアイスを練り続ければトルコアイスになる」「納豆の粘りやマシュマロを混ぜれば再現できる」といった裏技レシピが定期的にバズを生み出します。しかし、ここには食品物理学的な大きな落とし穴が存在します。
通常のアイスクリーム(乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上)を激しく練ると、アイス内部に含まれる微細な気泡(オーバーラン)が潰れ、手の熱によって急速に融解が進みます。結果として得られるのは、伸びるアイスではなく「単に溶けかけたぬるいクリーム」です。
本物のドンドゥルマや市販のトルコ風アイスは、温度が上がっても保形性を失わない特殊な乳化・ゲル化構造を持っています。家庭で一般的なアイスをただスプーンでかき混ぜても、決してあの官能的なコシと伸びは再現できません。無理な自作で高価なアイスを台無しにするよりも、正規品の流通ルートを的確に突くことが賢明です。