インターネット上の掲示板や知恵袋、SNSのコミュニティを調査すると、「耳鼻科で『異常なし』と言われたのに音が止まらない」「整体に行ったら一時的に耳鳴りが小さくなった」といった声が数多く見受けられます。こうしたケースの多くは、医学界で「体性感覚性耳鳴(たいせいかんかくせいじめい)」と呼ばれる、骨格筋の緊張に起因する耳鳴りです。
頸椎周辺や肩甲骨周囲の筋肉、とりわけ後頭下筋群や胸鎖乳突筋が慢性的に凝り固まると、そこを走る知覚神経が刺激され、延髄にある蝸牛神経核に異常な信号が混入します。首を回したり、強く噛み締めたりした瞬間に耳鳴りの音程や音量が一瞬変化する人は、この体性感覚性耳鳴りである可能性が極めて濃厚です。
当事者の手記や取材証言からも、デスクワークによる姿勢崩壊の深刻さが浮き彫りになっています。IT企業に勤務する30代男性は当時の過酷な状況を次のように語っています。
「連日12時間以上ノートPCに向かい、気づけば顎を前に突き出す姿勢が定着していました。ある日突然、左耳の奥で鋭い電子音のようなキーンという音が鳴り始め、静かな部屋では眠ることすらできなくなったのです。耳鼻科を2軒ハシゴしても『聴力は正常範囲』と言われ絶望しましたが、理学療法士の指導で徹底した耳鳴り首こり肩こり改善法を実践したところ、約3週間で首の緊張緩和とともに音の輪郭が驚くほど薄れていきました」
首こり由来の耳鳴りを撃退するためには、ツボ押しに加えて「胸鎖乳突筋のストレッチ」と「肩甲骨の引き下げ運動」をルーティン化することが重要です。耳の後ろから鎖骨の内側に向かって伸びる太い筋肉を、親指と人差し指で優しくつまむようにしてほぐすだけでも、内耳周囲の静脈還流が劇的に改善されます。