連日オープン直後から激しい争奪戦が繰り広げられる背景には、単なるキャラクター人気にとどまらない「半世紀のアニバーサリー需要」と「希少性バイアス」の連鎖が存在します。1974年の誕生以来、キティは各時代の流行やサブカルチャーを柔軟に吸収してきました。今回の展覧会グッズは、初代プチパースのデザインから平成のコギャルカルチャー、現代のアーティストコラボに至るまで、歴代の変遷を精巧に復刻・再解釈したラインナップとなっており、母娘三世代におよぶ幅広いコレクター層が一斉に殺到したのです。
取材に応じたポップカルチャー担当の流通アナリストは、この過熱現象を次のように分析しています。「キティは単なる玩具ではなく、ファンの人生の記憶や自己同一性(アイデンティティ)と不可分に結びついている。50周年という二度と訪れない節目において、『今買わなければ二度と手に入らない』という強烈な心理的切迫感(FOMO:見逃すことへの恐怖)が働き、想定購買数を大幅に跳ね上げた」。
さらに、インバウンド(訪日外国人観光客)からの圧倒的な支持も重なりました。海外でのサンリオ人気は過去最高水準に達しており、日本発のオリジナル限定品を求める訪日客が連日早朝から待機列を形成。これに目をつけた悪質な転売目的のバイヤーが初動で組織的な買い占めを図ったことが、現場の急速な在庫枯渇を決定づけた要因となりました。