ナリス化粧品が培ってきた製剤技術の結晶であるby365 パウダリーUVクリームは、水相の中に紫外線散乱剤や吸収剤、そして微細な皮脂吸着パウダーを均一に分散させたエマルジョン構造を採用しています。肌に塗布すると水分が速やかに揮発し、残されたパウダー成分が肌表面に整然と整列することで、サラサラとしたシルキーな触感とソフトフォーカス効果を生み出します。しかし、この画期的な処方には界面化学的な2つの盲点が潜んでいます。
ひとつは、皮脂吸着パウダーの飽和現象です。皮脂を抱え込む能力には上限があります。真夏の炎天下で皮脂と汗が大量に分泌されると、パウダー層が過剰な皮脂と混ざり合って流動化し、肌表面から浮き上がってしまいます。この状態でハンカチやタオルを肌に当てると、パウダーごとUVブロック膜が吸着されて剥がれ落ちてしまうのです。本人が「しっかり塗ったはず」と思っていても、日中の早い段階で無防備な素肌が露出してしまう構造的な理由がここにあります。
もうひとつは、膜の柔軟性と伸縮性の限界です。強固なウォータープルーフ製剤は柔軟な架橋ポリマーによって肌の動きに追従する強靭な膜を形成しますが、パウダリー系はサラサラ感を重視するため、皮膜剤の配合バランスが軽やかに設定されています。そのため、腕の屈伸や首の激しい動き、衣服との摩擦が頻繁に繰り返される部位では、微細なひび割れや剥離が生じやすい傾向にあります。