遠野なぎこが世間に与えた最初の鮮烈なインパクトといえば、1999年に放送されたNHK連続テレビ小説『すずらん』でのヒロイン・常盤萌(ときわ・もえ)役です。同作は平均視聴率26.2%、最高視聴率33.3%を記録した平成朝ドラを代表する大ヒット作でした。雪深い北海道の駅を舞台に、過酷な運命に翻弄されながらも凛として生きる主人公の姿を、当時19歳だった遠野なぎこが見事に体現しました。
黒髪の日本髪や素朴な着物姿が際立たせる陶器のような白い肌、澄んだ瞳の奥に宿る芯の強さは、視聴者の間で「絵画から抜け出してきたような純和風美人」と絶賛されました。現在Web上で「遠野なぎこ 若い頃 画像」と検索してヒットする写真の多くはこの『すずらん』時代のものであり、CGや過度なデジタル補正が存在しなかった1990年代末において、彼女のビジュアルがどれほど完成されていたかを如実に物語っています。
さらに遡ると、彼女の存在をドラマファンに知らしめたのが1995年放送のTBS系金曜ドラマ『未成年』(野島伸司脚本)でした。いしだ壱成、香取慎吾、反町隆史、安室奈美恵ら錚々たるキャストが集結したこの伝説的青春群像劇において、遠野なぎこ(当時は遠野凪子名義)は複雑な傷を抱える女子高生役を熱演。瑞々しくもどこか儚げな美貌と、思春期特有のヒリヒリとした危うさを漂わせる迫真の演技は、業界関係者から「早熟の天才子役」として極めて高い評価を獲得しました。
2001年には、松本サリン事件を題材にした熊井啓監督の骨太な社会派映画『日本の黒い夏─冤罪』に出演し、日本映画批評家大賞新人賞を受賞。単なる清純派アイドル女優の枠を遥かに超え、日本の映画・ドラマ界の未来を担う実力派として揺るぎない地位を築いていました。