ネット上の情報で頻繁に錯綜しているのが、流通しているモンステラの「品種の差異」と、葉の割れやすさに関する誤解です。自宅の株が割れないと悩む前に、育てている株がそもそもどの品種に該当するのかを冷静に見極めなければなりません。
市場に流通する代表的な2系統であるモンステラのデリシオーサとボルシギアナの違いは、葉割れの難易度とスピードに決定的な差を生み出します。大葉系であるデリシオーサ種は、葉柄の付け根に波状のフリル(ひだ)が生じる特徴があり、節間が詰まってじっくりと育ちます。幼苗期は丸葉の期間が長く、切れ込みが入るまでに時間を要しますが、一度成熟すると深い切れ込みに加え、中央に穴(窓)が開く豪快な姿へと化けます。対してつる性傾向の強いボルシギアナ種は、生長が早く節間が伸びやすいため、比較的早い段階でスリットが入りますが、光量が足りないとすぐに丸葉へと先祖返りしやすい繊細さを持っています。
さらに深刻な盲点として挙げられるのが、「そもそも成葉になっても葉が割れない品種」をモンステラとして購入しているケースです。観葉植物専門店の情報によると、モンステラ・スタンデリアナ(コブラ)などの原種系は、細長い美しい斑入り葉を展開するものの、デリシオーサのような切れ込みは入りません。また、同科別属であるヒメモンステラ(ラフィドフォラ・テトラスペルマ)をモンステラと混同している例も多く、これらは根本的に葉の展開サイクルが異なります。「割れない=自分の育て方が悪い」と思い込んでいたものの、品種本来の性質を調べたところ完全に正常な状態だったという事例は決して珍しくありません。