1903年(明治36年)に初点灯した出雲日御碕灯台は、地盤から頂部までの高さが43.65メートル、水面から灯火までは63.3メートルに達します。これは石造灯台として日本一の高さを誇り、世界灯台100選や国の重要文化財にも指定されている近代化遺産の最高峰です。
外壁は硬質な島根県八雲村産の美保関石、内壁はレンガ造りという二重構造を採用しており、120年以上の風雪に耐え抜いてきた職人技の結晶がそこにあります。そして特筆すべきは、公益社団法人燈光会が管理運営を行う「のぼれる灯台(参観灯台)」として一般公開されている点です。
受付で参観料を納めると靴を脱ぎ、備え付けのスリッパまたは靴下で階段へと向かいます。中央の空間を囲むように続く163段のらせん階段は、登るにつれて傾斜がきつくなり、最上部では船舶用の垂直に近い階段へと切り替わります。狭い踊り場を抜けて屋外デッキに出た瞬間、強烈な潮風とともに360度広がる日本海の水平線が視界を埋め尽くします。足元がすくむほどの高度感と解放感は、エレベーター付き展望台では絶対に味わえない生々しい感動を与えてくれます。