まずは、日本音楽著作権協会(JASRAC)および公式な教育出版物に登録されている正規の歌詞を、子ども向けのひらがな表記で確認してみましょう。
【1番】
あいあい あいあい おさるさんだよ
あいあい あいあい おさるさんだよ
みなみの しまの しっぽの ながい
おさるさんだよ
あいあい あいあい おさるさんだよ
【2番】
あいあい あいあい おさるさんだよ
あいあい あいあい おさるさんだよ
きのみが すきな めだまの まるい
おさるさんだよ
あいあい あいあい おさるさんだよ
歌詞の構成は極めてミニマルでありながら、「しっぽの長い(1番)」と「目玉の丸い・木の実が好きな(2番)」というわずか2つの身体的・生態的特徴を、反復するオノマトペ(リフレイン)の中に鮮やかに落とし込んでいます。幼児が一度聴いただけで真似できる平易な言葉選びこそが、本作が幼児教育の定番曲となった最大の要因です。
ここで多くの人が直面するのが、「3番の歌詞はどうなっているのか?」という疑問です。Google等の検索窓にも「アイアイ 歌詞 2番 3番」という検索クエリが頻出しますが、結論として、公式の童謡『アイアイ』に3番は存在しません。
それにもかかわらず「3番を歌った記憶がある」という証言が後を絶たない理由について、音楽教育関係者やアーカイブ記録を調査すると、主に次の3つの要因が浮かび上がってきます。
- 『南の島のハメハメハ大王』との混同:同じく南の島をテーマにした定番童謡であり、こちらは全4番まで展開されるため、幼少期の記憶の中で両者がひとつのイメージとして合成されているケース。
- 幼児教育現場における「替え歌」の定着:保育園や幼稚園の手遊び歌として、「てあしがながい」「バナナがすきな」など、保育士や子どもたちが独自に創作した3番が地域コミュニティ内で歌い継がれたケース。
- テレビ特番でのアドリブ歌唱:『おかあさんといっしょ』等のファミリーコンサートにおいて、うたのお兄さん・お姉さんが会場参加型の手遊びとしてオリジナルのフレーズを追加した演出の残響。
記録上、相田裕美氏が遺した原詩はきっぱりと2番で完結しており、それ以上の公式歌詞は一切作られていないというのが客観的な事実です。