Web上の情報の中には「キーボードショートカット一撃で列固定ができる」と記載されている記事が見受けられますが、これには半分誤解が含まれています。Excelには「Alt → W → F → F」などの定番キーシーケンスが存在しますが、ブラウザ上で動作するGoogleスプレッドシートには、標準の単一キーによるスプレッドシート作業効率化ショートカットとして「列固定」は割り当てられていません。
Windows環境であれば「Alt + V」で「表示(View)」メニューを開き、「F」で固定メニューへアクセスするニーモニック(アクセスキー)操作が可能ですが、Mac環境やGoogle Chromeのキーバインド競合によってはスムーズに動かない場面が散見されます。そのため、実務上は「ショートカットキーを探して押し間違える」よりも、前述した「グレーの太線ドラッグ」を用いる方が圧倒的に速く、認知リソースを消費しません。
また、「便利だから」と5列も6列も広範囲に固定してしまう設計は、可読性の面で重大な弊害を招きます。ノートPCやタブレットなど限られたディスプレイ環境では、固定された列だけで画面幅の半分以上が占領され、肝心の入力可能エリアが数列しか見えなくなる「画面圧迫の罠」に陥ります。固定列は「対象を一意に特定できる最小限の情報(例:IDと氏名の2列まで)」に絞り込むことが、チーム全体の作業効率を保つ秘訣です。