朝の光を浴びた瞬間、体内では劇的な生化学的変化が起きている。人間の生命活動を司る体内時計、すなわちサーカディアンリズムは、朝の光刺激をトリガーにしてリセットされる。このプロセスにより、幸福感や精神の安定に関与する神経伝達物質セロトニンの分泌が急増するのだ。
最先端の睡眠科学を牽引するスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所の元所長であり、名著『スタンフォード式 最高のスリープ』の著者としても知られる西野精治氏は、覚醒直後の行動がその日全体のパフォーマンス、ひいては夜間の睡眠品質を決定づけると指摘する。朝にセロトニンが十分に分泌されると、約14〜16時間後には睡眠を促すメラトニンへと代謝される。つまり、質の高い睡眠を得るための準備は、すでに朝起きたその瞬間から始まっているのだ。