住環境の専門家や節電アドバイザーは、この「設定温度」と「体感温度」の乖離こそが冬のストレスの元凶だと口を揃える。理論上のエネルギー効率と実際の人間が感じる快適性の間には、常に埋めがたい溝が存在する。
科学者で環境問題にも詳しい武田邦彦氏ら専門家の間でも、過度な一律規制や根拠の曖昧な目標値に対する議論は以前から交わされてきた。寒さを無理に耐え忍ぶことで血圧の上昇やヒートショックを引き起こしては本末転倒だ。重要なのは、数字だけに固執することではない。住まい全体の断熱性や生活動線を踏まえ、住む人が健やかに過ごせる室内環境をつくる姿勢である。